北海道太平洋側で相次ぐ地震 専門家 “改めて備え見直しを”@NHKニュース
北海道太平洋側で相次ぐ地震 専門家 “改めて備え見直しを”
こんにちは
猫好き父さんです
少し心配な状況ですが
備えあれば患いなしで臨みましょう
画像は公式からの引用です2日、十勝の大樹町などで震度4の揺れを観測する地震がありました。
道内の太平洋側では、先月から震度4の揺れを観測する地震が相次いでいて、専門家は「過度に気にする必要はないが、身の回りの備えを改めて確認してほしい」と呼びかけています。
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— NHK北海道 (@nhk_hokkaido) June 2, 2025
北海道の地震の特徴
北海道は日本の他の地域と同様に地震活動が活発な地域であり、様々なタイプの地震が発生します。その特徴を以下にまとめます。
1. 複数のプレートが関連する複雑なメカニズム
北海道の地下には、複数のプレートが関係する非常に複雑な構造があります。
- 太平洋プレートの沈み込み: 北海道の太平洋側沖合には千島海溝と日本海溝があり、太平洋プレートが陸側のプレート(北米プレート)の下に沈み込んでいます。これにより、プレート境界型地震(海溝型地震)が繰り返し発生します。
- アムールプレートとの関係: 日本海東縁部にはアムールプレート(ユーラシアプレートの一部とされることもある)と北米プレートの境界があり、ここでは東西方向の圧縮力が働いています。この境界は「歪み集中帯」とも呼ばれ、逆断層型の地震が発生しやすいと考えられています。
- オホーツクプレート(または北米プレート): 北海道は一般的に北米プレート上に位置すると考えられますが、より詳細なプレート構造としてオホーツクプレートが提唱されることもあります。
このような複雑なプレートの相互作用により、北海道では多様なタイプの地震が発生します。
2. 発生する地震の主な種類
北海道で発生する地震は、大きく以下の3つに分けられます。
- 海溝型地震(プレート境界型地震・プレート内地震):
- プレート間地震: 千島海溝や日本海溝で、沈み込む太平洋プレートと陸側のプレートの境界で発生する巨大地震です。過去には十勝沖地震(1952年M8.2、1968年M7.9、2003年M8.0)や根室半島沖地震(1973年M7.4)、北海道東方沖地震(1994年M8.2)などが繰り返し発生しており、津波による被害を伴うことが多いのが特徴です。特に十勝沖では、約30~40年の周期で大地震が発生するパターンが見られます。
- プレート内地震: 沈み込んだ太平洋プレートの内部で発生する地震です。深発地震が多く、代表的なものに1993年の釧路沖地震(M7.5、深さ101km)があります。
- 日本海東縁部の地震: 日本海東縁部にもプレート境界があると考えられており、北海道南西沖、積丹半島沖、留萌沖などで逆断層型の地震が発生します。1993年の北海道南西沖地震(M7.8)は、このタイプに該当し、奥尻島に壊滅的な津波被害をもたらしました。
- 内陸型地震(活断層型地震):
- 陸域の浅い場所で発生する地震で、既存の活断層が活動することにより引き起こされます。2018年の北海道胆振東部地震(M6.7)は、この内陸直下型地震に該当します。この地震では、震源近くの厚真町などで大規模な土砂災害(液状化や斜面崩壊)が発生し、北海道全域での**大規模停電(ブラックアウト)**という広範な被害も引き起こしました。
- 北海道には多くの活断層が存在し、主なものとして石狩低地東縁断層帯(札幌市やその周辺を通過)、サロベツ断層帯、十勝平野断層帯、富良野断層帯、標津断層帯などがあります。これらの中には、推定される最大規模がM7を超えるものもあり、注意が必要です。特に札幌市周辺には「月寒断層」などの伏在活断層(地表に現れていない活断層)も存在すると指摘されています。
3. 被害の特徴
北海道で発生する地震の被害には、以下のような特徴が見られます。
- 津波被害: 太平洋沖の海溝型地震や日本海東縁部の地震では、強い揺れだけでなく、津波による甚大な被害が発生する可能性が高いです。特に過去の地震では、沿岸部に壊滅的な被害をもたらした例もあります。
- 広範囲の揺れ: 規模の大きな海溝型地震は、北海道の広い範囲に揺れをもたらします。
- 土砂災害: 内陸型地震では、2018年の胆振東部地震のように、震源域周辺で大規模な土砂崩れや液状化が発生することがあります。特に厚真町の谷底平野に広がる火山灰層(腐植土)は、揺れによって崩れやすい特性を持っていました。
- ライフラインの寸断: 地震の揺れやそれによる被害で、電力、水道、ガスなどのライフラインが広範囲で寸断される可能性があります。2018年の胆振東部地震では、北海道全域でのブラックアウトが発生し、社会機能に大きな影響を与えました。
- 交通インフラの被害: 道路の陥没、橋の損傷、鉄道の不通なども発生し、交通網が麻痺することがあります。
- 冬季の厳しさ: 北海道は冬が長く、地震が冬季に発生した場合には、停電や断水が復旧しないことで、寒さによる被害が深刻化するリスクがあります。暖房が使えなくなることによる凍死や、水道管の凍結破裂などの問題も考えられます。
まとめ
北海道の地震は、複数のプレート活動が絡み合い、海溝型、日本海東縁部、内陸型と多様なタイプが発生します。特に東部の太平洋側では周期的に巨大地震が発生し、津波のリスクが高いです。また、内陸型地震では大規模な土砂災害や広域停電など、地域特有の被害も発生し得るため、日頃からの備えが非常に重要です。
十勝沖地震の特徴
十勝沖地震は、北海道の南東沖、太平洋に面した十勝地方沖合で発生する海溝型地震です。日本列島を取り巻くプレートテクトニクスにおいて、太平洋プレートが日本列島を載せる陸側のプレート(北米プレート)の下に沈み込む千島海溝沿いで発生する巨大地震の一つとして知られています。
その特徴は以下の通りです。
1. プレート境界型地震であること
- 千島海溝の活動: 十勝沖地震は、太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込む千島海溝のプレート境界で発生します。この境界でプレートが固着し、ひずみが蓄積され、限界に達すると一気に解放されて地震が発生します。
- 繰り返し発生する巨大地震: 過去に何度も繰り返しM8クラスの巨大地震が発生しており、歴史的な記録からもその活動が確認されています。
2. 周期性のある発生と発生間隔
- 約30~40年の周期: 過去の十勝沖地震の発生履歴を見ると、約30~40年程度の比較的短い間隔でM8クラスの地震が発生する傾向が見られます。
- 1952年(M8.2)
- 1968年(M7.9) ※「十勝沖地震」と名称がついているが、実際に破壊が及んだのは襟裳岬沖から三陸沖北部にかけての領域とされています。
- 2003年(M8.0)
- (1843年(M8.0)、1915年(M7.0)などの記録もあります。)
- 長期的な活動: さらに長い数百年単位で見ると、約500年間隔でより大きな巨大地震が発生している可能性も指摘されています。
3. 広範囲への強い揺れと津波の発生
- 強い揺れ: 震源が比較的浅く、規模が大きいため、十勝地方だけでなく、日高地方、釧路地方など北海道の太平洋沿岸の広い範囲で強い揺れ(震度6弱以上)を観測することが多いです。
- 津波の発生と被害: 十勝沖地震の最も特徴的な被害は津波です。巨大な津波が北海道の太平洋沿岸、特に十勝、釧路、根室地方に襲来し、甚大な被害をもたらしてきました。
- 高い遡上高: 過去には、津波の遡上高が数メートルに達した記録もあります。
- 河川遡上: 2003年の十勝沖地震では、十勝川を津波が10km以上遡上する現象が観測され、河川沿いの地域でも津波の危険性があることが改めて認識されました。
- 津波到達までの時間: 震源が沿岸に近いため、地震発生から津波の到達までの時間が非常に短い(数分〜十数分)という特徴があります。このため、迅速な避難行動が極めて重要となります。
4. 軟弱地盤での被害拡大
- 液状化と地盤沈下: 十勝平野は十勝川の沖積低地であり、泥炭地や砂丘地帯など軟弱な地盤が広がっています。過去の十勝沖地震では、このような軟弱地盤で液状化現象や地盤沈下が広範囲で発生し、家屋の全壊や傾斜、道路の陥没などの被害が顕著でした。
- 構造物への影響: 地震の揺れによる液状化で、サイロやタンクなどの構造物が大きな被害を受けることもありました(例: 1952年地震でのサイロ被害、2003年地震での石油タンク被害)。
5. 東北地方への影響
- 十勝沖地震は、規模が大きいことから、北海道だけでなく東北地方の太平洋沿岸にも揺れや津波をもたらすことがあります。
6. 連動型地震の可能性
- 十勝沖地震の震源域は、根室沖地震の震源域と隣接しており、これらが連動してさらに大規模な地震(例:17世紀に発生した巨大地震「17世紀型」など)を引き起こす可能性も指摘されており、長期的な地震活動の評価において重要な研究対象となっています。
十勝沖地震は、その発生頻度と津波による甚大な被害の可能性から、北海道東部、特に十勝地方において常に警戒が必要な地震の一つであり、防災対策の強化が図られています。
北海道における地震の備えについて
北海道は地震活動が活発な地域であり、特に冬季の地震は被害が拡大する可能性が高いため、事前の備えが非常に重要です。
1. 自宅・家屋の安全対策
- 家具の固定: タンス、食器棚、冷蔵庫、本棚などは、転倒防止金具やL字金具、粘着マットなどで壁や床にしっかり固定しましょう。特に寝室や子ども部屋には、できるだけ背の高い家具を置かない、または固定を徹底しましょう。
- ガラスの飛散防止: 窓ガラスや食器棚のガラスには飛散防止フィルムを貼る、厚手のカーテンをするなどの対策をしましょう。
- 重いもの・割れやすいものの配置: 高い場所には重いものや割れやすいものを置かないようにし、本棚などは重いものを下段に置きましょう。
- 電化製品の固定: テレビやパソコンなども転倒防止ベルトなどで固定しましょう。
- 耐震補強: 築年数の古い木造住宅などは、専門業者に相談して耐震診断を受け、必要に応じて補強を検討しましょう。
- ブロック塀・石塀の点検・補強: 倒壊の危険性があるブロック塀や石塀は、補強や改修を検討しましょう。
2. 非常持ち出し品と備蓄品
最低3日分、できれば1週間分の食料、飲料水、生活必需品を自宅に備蓄し、非常持ち出し袋も準備しましょう。
非常持ち出し品(すぐに持ち出せるリュックなどにまとめておく)
- 食料・飲料水: 3日分の水(1人1日3L目安)、乾パン、栄養補助食品、レトルト食品など。
- 情報収集: 携帯ラジオ(予備電池も)、モバイルバッテリー、携帯電話の充電器。
- 照明: 懐中電灯(ヘッドライトが両手が使えて便利)、予備電池。
- 貴重品: 現金(10円玉、100円玉含む)、健康保険証のコピー、身分証明書。
- 防寒具: 防寒着、毛布、カイロ、使い捨てカイロ、アルミ製保温シート。
- 救急・衛生用品: 救急セット(絆創膏、包帯、消毒液など)、常備薬、お薬手帳のコピー、マスク、ウェットティッシュ、生理用品、簡易トイレ。
- その他: ホイッスル、軍手、タオル、着替え、ライター、ナイフ、スリッパ、ゴミ袋。
家庭内備蓄品(自宅で避難生活を送ることを想定)
- 食料・飲料水: 1週間分の水、長期保存可能な米、缶詰、乾麺、レトルト食品、カセットコンロとガスボンベ(複数本)。
- 暖房器具: 電気を使わない石油ストーブ(耐震自動消火機能付き)、灯油(十分な量)。ただし、使用時は換気を忘れず、一酸化炭素中毒に注意しましょう。
- 寝袋・毛布: 家族の人数分。
- トイレ: 簡易トイレ、トイレットペーパー、消臭袋。
- その他: ラップ、アルミホイル、ポリ袋(多めに)、新聞紙、段ボール(防寒や仕切りに使える)。
3. 冬季特有の備え(北海道ならではの重要ポイント)
北海道では、冬季の地震に備えることが特に重要です。
- 寒さ対策の徹底:
- 防寒着: スキーウェア、ダウンジャケット、厚手のインナー、ウールの靴下、帽子、手袋などを家族全員分用意し、すぐに持ち出せる場所にまとめておきましょう。
- 暖房: 停電を想定し、電気を使わない石油ストーブやカセットコンロ、湯たんぽ、使い捨てカイロは必須です。灯油も十分な量を備蓄しましょう。
- 凍結防止: 停電・断水時は水道管の凍結破裂のリスクがあります。事前に水抜き方法を確認しておきましょう。
- 積雪対策:
- 避難経路の確保: 避難場所までの経路を事前に確認し、積雪時でも歩けるか、雪かきが必要な場所はないかなどを把握しておきましょう。
- 除雪道具: スコップ、スノーヘルパー(車載用)、長靴、手袋なども用意しておきましょう。
- 落雪対策: 屋根からの落雪や、雪の重みによる家屋の倒壊にも注意が必要です。
- 車の備え:
- 車で移動中に被災する可能性も考慮し、燃料を満タンにしておく、防寒着、毛布、スコップ、牽引ロープ、ブースターケーブル、簡易トイレなどを常備しておきましょう。
- 情報収集: 暴風雪など天候急変時にも情報が得られるよう、ラジオやモバイルバッテリーの充電を常に確認しておきましょう。
4. 家族での話し合いとシミュレーション
- 防災会議: 家族で定期的に防災会議を開き、地震が起きた際の行動や役割分担、連絡方法、集合場所などを確認しましょう。
- 安否確認方法: 携帯電話がつながらない場合の安否確認方法(災害用伝言ダイヤル171、SNSの災害用伝言サービスなど)を確認しましょう。
- 避難場所・避難経路: 自宅や職場、学校からの指定避難場所、広域避難場所、一時滞在施設(帰宅困難者向け)を家族で確認し、実際に歩いてみましょう。夜間や冬季も想定してシミュレーションすることも重要です。
- ハザードマップの確認:
- お住まいの市町村が発行している「地震防災マップ」「ハザードマップ」を確認し、自宅周辺の揺れやすさ、液状化の危険度、津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域、活断層の位置などを把握しましょう。北海道の各市町村のホームページや、国土交通省のハザードマップポータルサイトなどで確認できます。
5. 地域との連携
- 自主防災組織への参加: 地域や町内会の自主防災組織に参加し、地域の防災訓練や防災活動に協力しましょう。
- 近所付き合い: 地域の人々との良好な関係を築き、いざという時の助け合いができるようにしておきましょう。特に高齢者や小さな子どものいる家庭など、要配慮者への配慮も重要です。
北海道は過去に巨大地震を経験しており、将来も大規模な地震が発生するリスクがあります。これらの対策を日頃から意識し、実践することで、いざという時の被害を最小限に抑えることができます。